実の所ソーニャは詩歌藩国滞在を全く考えていなかった。
「だって美少年いないじゃん」
美男美女が多い事で知られる詩歌藩国であったが、美少年は主要メンバーの中に一人も居なかったのである。
事の発端は、小笠原リゾート体験ツアー前(デモプレー)のこと、リゾートのゲストは誰がいい?という希望調査にて、そう言えば岩崎にもう一度会いたいなぁと思い投票した所同じく岩崎に投票していた経という女性と出会った事だった。彼女は岩崎の熱烈なファンで「とにかく彼に会いたいの!」とうっとりした表情で語っていた。そんな彼女の真直ぐな思いに共感したソーニャはたちまち意気投合、旅人である事を彼女に教えると「それならウチに来ればいいじゃない」と笑いながら言った。
断る理由はいくらでも思いつけた「いや美少年探す旅してるんで………」「私、猫一辺倒でして」「帝国ってちょっと名前が怖そうで」が、はっきり言ってこれらは失礼すぎる上に最初のセリフ以外は理由にすらなっていなかったので結局ソーニャは断らなかった。
もっとも、彼女の気さくな笑顔の前には最初から断る術等なかったのだが。
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「つ、着いてしまった………」
「ようこそ詩歌藩国へ」
入国前、念のため無名騎士藩国でお土産に貰った犬耳&しっぽを付けて入国する
「変わったアクセサリーですね」
と入国審査官に言われた、あれ~?
「ええ、これ最近むこうで流行ってるんですよ、ホホホホホ………」
とりあえず笑顔でごまかす、若干乾き気味。
ところでこの犬耳&しっぽソーニャが笑ったりするとピコピコという擬音と共に上下に動く無駄にリアルなギミックが搭載されている。これの制作者はよほどの凝り性だったのだろう。実際の所あまり役に立つどころか、かえってへんなヤツに見られてしまったのだが。
国王との謁見、臣民の方々数名との目通りも済ませ、さて私はこれからどうしようと宮廷内を歩いていると庭園にて人影を捉えた。ソコには半ズボンから伸びでた白い生足が眩しい金髪の美少年がいた。 (美少年ハンターソーニャEp4に続く)
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